手づくりは最高のごちそう!
手間ひまをかけて作る楽しさ、美味しさを感じて学ぶ料理教室「食の学校」。
毎月テーマが変わり、色々なことに挑戦できます。是非ご参加ください。
令和7年1月13〜15日。今回の食の学校は「みそ作り」です。今回の講師は河合廣美さんと村瀬奈織さんです。山間地域に伝わる、田舎味噌の作り方をお教えしています。味噌は気温の上がる夏を越さないと発酵しないことと、カビ類が発生しないように寒い時期に仕込みます。一般的には1月のこの時期に仕込むことを『寒仕込み』、4月頃仕込むことを『花仕込み』と呼びます。味噌の原料は大豆、麹、塩で、蒸した大豆に塩と麹を加え、発酵・熟成を経て完成します。

大豆の準備
大豆を水に浸してから、煮てつぶす作業までは、前日までに足助屋敷の桧茶屋で仕込んでもらうため、家庭で行う場合の説明を行いました。ご家庭で行う場合は、圧力鍋で煮て、すり鉢でつぶします。この地方では豆麹と米麹を混ぜ合わせてつくるため、赤みそとは言わず、厳密には合わせ味噌(田舎味噌)になります。
豆麹・米麹を混ぜる

ヤマキ糀店は,愛知県豊田市にある創業明治38年の糀屋です。米糀,塩こうじ,味噌などを販売しています。糀を使うレシピなどもあります。糀屋なので糀はもちろんですが味噌,甘酒販売しています。ぜひ,ヤマキ糀店の糀をご賞味ください。
麹はヤマキ麹店でのお買い求めをお勧めします。
同量の豆麹と米麹を混ぜ合わせ、塩切(しおきり)と言って、全体に塩を混ぜ合わせます。よく減塩のために塩を少なくしたいという質問がきますが、カビや腐敗の原因になりますので、ここではオススメできません。
つぶした大豆を混ぜ合わせます。
全体に大豆を麹が均一になるように混ぜ合わせます。
空気を抜くように丸め樽の底に投げつけるように当て、さらに空気を抜きます。
樽に収める
ぎゅうぎゅうと押さえてしっかりと詰め込みます。
ここで、塩を混ぜたときに少しだけ残した塩で表面に化粧塩を施します。これは、カビを防ぐためで、樽の円周上やビニールがシワになった場所などがカビやすいので入念に。
この状態で重石の乗せて保存するのですが、重石が重すぎると溜まりが出てきてしまいます。このたまりは味噌の中の旨味成分なのであまり出したくないのです。なので重石を重すぎることのないように調整して乗せていきます。この状態で2ヶ月もするといい匂いがしてきます。時々様子を見て重石をこまめに調整することが肝心です。カビが生えたら、カビと周囲5〜10mm程度を取り除いてふり塩をします。できるだけこまめに見てやることが大事です。夏の7〜8月には食べられるようになります。
木桶と樹脂容器
講師が木桶と樹脂容器で作った味噌の試食を行いました。木桶は適度に空気を遮断しながらも、余分な水分を外に飛ばしてくれるので旨味成分が滲み出してしまうことがないようです。工場などの一定した条件下では意味がありませんが、日本の冬が寒く夏は高温多湿な条件下の場合、木桶に軍配が上がります。どちらも美味しい味噌でしたが、木桶の味噌の方がやはり旨みが強い気がします。最初は樹脂樽で行っていても慣れていくと木桶が欲しくなるようです。先人の知恵と道具というものは理にかなっており、奥が深いと感じました。