手づくりは最高のごちそう!
手間ひまをかけて作る楽しさ、美味しさを感じて学ぶ料理教室「食の学校」。
毎月テーマが変わり、色々なことに挑戦できます。是非ご参加ください。
令和7年1月18,19日。今回の食の学校は「寒茶作り」です。今回の講師は河合廣美さんです。寒茶とは足助で作られる番茶です。足助には昔から自生しているお茶の木があり、山仕事の際には葉を摘んで焚き火で沸かしたヤカンでお茶を飲んでいました。
寒茶とは
寒茶(かんちゃ)とは、冬に摘んだ茶葉で作られるお茶です。カフェインやタンニンが少ないのが特徴です。現在では愛知県と徳島県でしか作られていない幻のお茶と言われています。お茶に精通した方ほど、寒茶に戻るそうです。
松下智氏との出会い
30年前、社団法人豊茗会(茶の文化振興のために社団法人)から足助寒茶について調査したいと依頼があり、代表である松下智氏が河合廣美氏とともに足助寒茶を浸透させてきました。現在では三州足助屋敷の桧茶屋で通年お飲みいただけるようになっています。今回も松下智氏に講師を依頼していましたが、健康状態を考慮して中止とさせていただきました。
寒茶の採取
足助寒茶は農閑期でもある冬場に各家で作られていて、乾燥茶葉は環境が良ければ何年も長期保存が利くことから物々交換などにも使われたので、資産的な価値もありました。旧田口邸の蔵からも100年以上前の乾燥した寒茶が見つかっています。このことからもお茶作りが盛んであったことが伺えます。

愛知県豊田市足助町の「古い町並み」にある「旧田口家住宅」で、茶つぼに入った100年以上前のものとみられる茶葉が見つかった。管理している田口敏男さん=足助観光協会長=が検査機関を通じて調べると、飲んでも問題がないとわかり、試飲会も開いた。「評判が良かった」として、関心がある人に味見を勧めている。 同住宅は180年以...



採取した枝をきれいにする
花が咲いた後の殻や、葉の裏の汚れを取り除く作業を行います。
寒茶を蒸す
足助屋敷で出している寒茶は大桶で行いますが、今回は蒸篭(せいろ)で行いました。蒸気には30分くらい充てます。そうするとオリーブのようなきれいな色に変わります。
あぶり茶
昔ながらの山仕事で行っていたやり方で作ってみます。
竹徳利茶
さらなる遊び心で竹の中でに出しています。竹の味が加わり、出汁が利いたような、コクがあるような味わいに変わります。
足助の寒茶・足助銘菓とともに
もちろん今のお菓子にもマッチします。写真は川村屋の日月もなかです。

大正5年の創業より作りつづける「日月もなか」は、北海道産の大手亡(白いんげん)と上質の砂糖を使ってじっくりと炊き上げた風味豊かで艶のある白餡を、もち米を原料にしたもなか種(皮)に詰めたお菓子です。 特製のもなか種は手に持ってもボロボロと崩れ落ちることはありませんし、上あごにくっつくこともありません。 一般的なもなかの概念を変えるべく日々努力を重ねております。 もなか種に写した「日月」の文字は、元弘の乱(1331年)において南朝・後醍醐天王の倒幕に参加し、笠置山の戦いでは総大将として奮戦した、足助次郎重範公が用いたとされる旗印の「日月」に由来します。 誕生から100年経った現在も足助名物としてご愛顧頂いております。
守っていきたい足助寒茶
今回、松下智氏の調査から足助寒茶の希少性を後世に残すべき食文化であるということを再認識させていただいた歴史と、河合廣美氏によって足助屋敷の定番茶となり足助寒茶は足助に残り続けることができました。こうした先人の努力がいかに大切なものかを考えさせられる会となりました。